田の神様をもてなし、
豊作への祈りと感謝をささげる
奥能登に根付く農耕儀礼
国指定重要無形民俗文化財・ユネスコ無形文化遺産に登録されている奥能登の「あえのこと」。
稲作を守る田の神様をもてなし、五穀豊穣への感謝と祈りを捧げる祭礼です。
やなぎだ植物公園合鹿庵は、あえのこと実演を一般公開している数少ない施設のひとつです。
2月9日、12月に迎え入れた田の神様を送り出す「田の神送り」の儀を執り行いました。
籾俵でお休みになられていた田の神様をお風呂へお連れし、ご馳走でもてなします。
田の神様は目が不自由であると伝えられているため、主人が都度声掛けをしながらご案内します。
また、甘いものを好まれるとも言われており、御膳には大きなおはぎや甘酒、ころ柿なども並びます。
「今年も豊作でありますように」という祈りを捧げ、田の神様は再び田んぼへお戻りになりました。
厳かな空気の中、おもてなしの心をもって自然の恵みに深く感謝する伝統文化。
それが「あえのこと」です。